アトリエとりむしさかな日記

北海道江別市にある、秋元さなえの美術アトリエ「とりむしさかな」です。レッスンや作品のことを書いていきます。 ◇江別市大麻東町13-52(大麻銀座商店街内)

てんこうせいにっき(14)

11月14日(木)

きょうのライン。

5ねん生と、3ねん生。

まだまだ、大きくなるね。

 

きょうは、Nちゃんのリクエストで、5ねん1くみのクラスをみんなではかった。

Nちゃんは、なぜかさいしょのころから、「おとどけアート」のじかんを、たいせつなものだとかんがえてくれている。

「さいきん、どうしてもいけなくて、ごめん」

とNちゃんがいう。

「いいよ。そんなことより、ひさしぶりだけど、げんきなの?」

わたしがいう。

 

10さいくらいのNちゃんと、36さいのわたし。

ねんれいをとびこえて、ともだちみたいになれるのは、やっぱり、いっしょになにかをつくっているからかな。

アートには、そんな「まほう」のような、なにかとなにかのあいだを、とびこえる力がある。

わたしはその「まほう」を、とてもつよく、しんじている。

 

5ねん1くみのクラスで、

「これから、からだでクラスをはかるよー」

とこえをかけたら、

なぜか、2くみと、3くみの人たちも

「いいなー。ずるい!」「やるやる!」

と、はいってくれて、みんなではかることになった!

 

5ねん生は、やっぱり大きい。

1ねん生がはかったときは、ぜんいんで1しゅうできなかったのに、こんどは、2しゅう目にいってしまった!

28人で、クラスを1しゅうと、はんぶん。

 

そして、5ねん生のみんなの、からだの「かた」も、とりあった。

1ねん生とは、またちがう「わたし(じぶん)」への、きょうみがあるんだなと、おもった。

せがのびて、こえがかわって、からだがかわって、いままでにないきもちがたくさんうまれる。

『じぶんってなに?』

と、かんがえさせられる、学ねんだとおもう。

 

Rくんは、じぶんの「かた」を、学校のどこにかざりたいか、とてもなやんだ。

Yくんは、からだの「かた」をとられて、みんなでクラスをはかると、ほっぺたをあかくして、てあしを大きくうごかして、ワクワクするきもちをおしえてくれた。

 

ほうかごは、アーティストの ひさのさん と、わたしじしんのインタビューを、さつえいした。

 

「わたしの名まえは、ひさの いえのうら山の川 しの です」

「わたしの名まえは、あきもと れつれっぷ さなえ です」

 

ひさのさんは、様似町(さまにちょう)にある、もういくことができない、山の中にながれる川のはなしをしてくれた。

そのふうけいは、さくひんに とうじょうすることもあるんだって。

きっと、くりかえし、おもいだす「わたしの ばしょ」なんだろうな。

 

わたしは、てんこうせいになってから、しった ばしょ で、じぶんの あたらしい名まえをつくった。

烈々布(れつれっぷ)という、ばしょの名まえの中に、たいらなみち、ひろい空をとぶトンボやひこうき、たくさんのはたけ、伏古(ふしこ)川、そして大きな どろの大ちが見える。

しったばかりだから、イメージはできるのに、じょうずにはなせなくて、くやしい。

でも、なにもしらないころよりは、栄町(さかえまち)がある ばしょ と、すこしなかよくなれたようなきがする。

 

(とりむしさかな 秋元さなえ)