初めてテンポラリースペースを訪れたのは、2010年でした。
「触れるー空・地・指」
秋元さなえ、太田理美、森本めぐみ 三人展
2010年3月23日-4月4日
(写真はテンポラリーフォトより)
この展覧会の直前に、紀伊国屋書店のギャラリーで、同じメンバーが教育大岩見沢校の同級生として「3年生の3人展」というグループ展を開催していました。
それを観に来たテンポラリースペース画廊主の中森敏夫さんが
「企画展にしてあげるから、ここでちゃんとやれ!」と
森本さん経由で、太田さんと私をテンポラリーに呼び出したことが、最初の出会いです。
目深にハットを被り、背広とバーバリーのコートを着こなす中森さんは、第一印象ではとても怖い人で、薄暗い談話室で向かい合い、何か作品について叱られるのではないかと、とても緊張したことを覚えています。
湧水からコーヒーを淹れてくれ、
「『3年生の3人展』なんてつまらないテーマではく、岩見沢で暮らす3人としての作品が見たい」
という趣旨を話してくれて、やっと膝を掴む指の力が緩んだのでした。
そして改めてギャラリーを見せてもらい、
古民家を改装した独特な構造に、とても心が惹かれました。
自然光がたくさん入る玄関と窓、梯子と階段で行き来できる動線、大きな気持ちの良い吹き抜け、剥き出しの柱や梁。
思わず伸びをして、そのスケール感を身体で確かめようとする自分がいました。
手を指を伸ばし、歩き回って、
ああ良い場所だな、ここで作品を出したいな
そんな風に思ったのでした。
今思えば、中森さんからの誘いは、とても優しくて、贅沢な申し出だったのだなぁと分かります。
中森さん視点での、当時のブログも残っていました。
「テンポラリーフォト」
https://temphoto.exblog.jp/10313453/
「テンポラリー通信」
https://kakiten.exblog.jp/13087743/
(アトリエとりむしさかな 秋元さなえ)